こんにちは!
英単語を見たら1回で覚えられる人がいれば、20回書いても覚えられない人もいます。
ちなみに中学生時代の私は100回書いても覚えらない人でした。
(書いて覚えるの自体、あまり効率は良くないと後で気が付いたんですけどね)
これを見て、周りの大人も、また本人も、「自分は能力が低い」と思いがちです。
まあ、確かに、生まれもった能力の差もあるんですけどね。理解力とか記憶力とか。
スポーツとか芸術とか、勉強でも数学とかは、能力差が顕著に表れると思います。
でも、英語や社会はどうでしょう?
ついつい、これも、記憶力の差と勘違いしてしまいますよね。
でも、私はあんまりそうは思わないんですよね。というか、最近は、意識的に思わないようにしています。
というのも、私がイタリアで出会った、アルバニア人、ウクライナ人、モロッコ人などの移民は、イタリアに来て1年以内に、ほぼ100%の人が、割と高度な意思疎通が可能なレベルまでイタリア語を話せるようになるのを見たからです。年齢関係なく。
日本の英会話学校で、1年後に100%の生徒がそれだけの英語力を身につけることはありません。
日本人が海外に留学しても、1年後に100%の学生がそれだけの語学力を身につけることはありません。
でも移民たちは100%なんです。
「この子、まだイタリアに来たばっかりでイタリア語は話せないんだよ」という人が、3ヶ月後には「マジか!」という語学力を身につけています。もちろん、参考書を買うこともなければ、学校に通うこともないのに。
確かに、アルバニアではイタリアのテレビが放送されているし、モロッコではフランス語が話されていて言語的に似ていることもあるでしょう。ただ、ウクライナ人なんかは、ほぼゼロからのスタートになりますが、みんな上手くなります。
能力差ではなくモチベーションの差です。
生きていくのに必要だと分かれば、必死で覚えるのです。日本人は日本語が話せれば生きていけるし、命の危機なんて感じることは少ないから必死になれないのです。
学習障害の場合は別として、普通は、記憶力の差はあまりないような気がしています。
そんなに差があるなら、なぜ移民が短期間で全員高い語学力を身につけるのか、という話になります。
日本に20年住んでいても、日本語が話せないアメリカ人がたくさんいますが、英語だけで日本で生活していけるからですね。周りに英語で助けてくれる人がいたり。
海外留学して、全然身に付かずに帰ってくる日本人もこのタイプですね。
結局、能力の差ではなく、モチベーションの差の方が大きいように思います。
簡単に能力のせいにしてしまうのは、生徒さんたちに失礼な気がします。ついつい、視野が狭くなっている時は、能力差だと思ってしまうのですが、できるだけそう思わないようにしています。
高校時代、数学の先生が、
「君たちは全員、こんな数学の教科書くらい、本気出したら1週間で理解できる能力を持っている。それができないのは、勉強だと思っているから半分の能力も使えないからだ」
と言われました。
志望校に行きたいモチベーションが高かったり、勉強内容自体に夢中になれたりして、思いが強ければ強いほど、勉強にも力が入るのです。
となると、私たち教える側の仕事は、内容自体に夢中になれるようにすることかも知れません。
これが1番難しいですが、でもそれができたら勝手に勉強してくれるようになると思います。
単調な努力だけを強いるのは違う気がするんですよね。