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小学校低学年で英検2級合格を目指す意味があるのか。

普段考えていること

こんにちは!

この仕事をしていると、英語を勉強することも確かに大事ですが、まずは、日本語をしっかり身につけることが何より大切だと感じる場面が多々あります。

特に、今は小さい頃から英語に触れさせようと考えておられるご家庭が多くなっていますが、日本で暮らし、日本語を使って生活し、日本の学校に通っている限りは、英語能力が日本語能力を上回ることはほぼありえません。

それなのに、日本語でもきちんと理解できないレベルのことを、英語で理解しようとさせている親御さんが結構多いのです。

良い例が英検です。英検2級を小学校低学年の子に取らせるという動きがありますが、これは、場合によっては子供を苦しめることになります。

英検の内容を確認してみると分かります。

手元にある英検2級の過去問をざっと見てみると、長文問題は、ヘビの心臓のつくり、手書きの大切さ、カイロのゴミ問題、細菌との闘い、DNA鑑定といった比較的「大人」なテーマの文が並んでいます。

まず、日本語の和訳を見せてみましょう。日本語で意味が分かりますか。分からないなら、その問題は英語でやるのはまだまだ早いと思います。

知的好奇心があり、いろんなテーマの文を読むのが好き、という場合は、もちろん、その成長を止める必要はないと思います。2級だろうが、準1級だろうが、本人が望むなら、どこまでもやらせてあげればいいんです。

でも、とりあえず、合格に必要な最低限の点を取るためだけに、幼い子に「パス単」を上から順番に暗記することを強いることや、無理やり難しい文に慣れさせることは、確実に「勉強嫌い」を増やしてしまうと思います。

英検準2級に一発合格したという子の英作文の中には、文法がぐちゃぐちゃでなぜ受かったのか分からないような作文もたくさんありました。

それでも受かってしまう場合があるのが、英検の困ったところですね。

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そんな状況でも、「準2級はクリアしたから、次は2級」と足元を固める大切さに気が付かず、先を急ぐ親御さんが多いんですよね。

「農薬を使うのをやめる農家が増えるか」「起業する若者が増えるか」「カジュアルな服装を認める会社が増えるか」なんてテーマの英作文を、小学校低学年の子に強いるのはかなり厳しいです。

日本語でも考えたことがないテーマだと思います。もちろん、小学校5年生、6年生にもなれば、だんだん大人の世界のことも見えてくるので、こういったテーマに取り組むの際の、精神的な負担は減ってくるでしょう。その時まで待ってあげても、決して遅くはないのではないでしょうか。

英語の前に、日本語で、しっかり論理的な思考をする能力や表現する力をつけさせることが先です。

英語である程度高いレベルのことをやらせようとするならば、

日本語で論理的に思考できるように日本語力を高めること。

英語と日本語、どちらも中途半端な状態だと、あるレベル以上を求められると、子供が苦労することになると思うのです。

「努力」や「根性」で何とかさせようなんて間違っていると思います。

「小学校低学年で2級合格!」とか、その時はカッコいいかもしれませんが、後々勉強嫌いになってしまうやり方であれば、それは長い目で見れば、子供の可能性を潰していることになりませんか。

私はこれまで、そのような例を結構見てきたからそう思うのです。

もちろん、小さい時の方が、新しい言語の習得は早いので、慣れ親しむことは良いことだと思います。特に音は、早い段階で慣れておいた方が良いとは思います。

ただ、ある程度レベル以上を求めるのは、日本語での思考能力が成長してからだと思います。

ちなみに、小学生の話をしましたが、国語の力が必要なのは、大学受験生にも言えますね。英語の全訳が正しくできたのに、「何が言いたいのか分からない」という子は結構いますね。これは、国語力がないから起こる現象です。「つまり、簡単に言うと、こういうこと」と言い換えて説明できないのです。

日本人なので、やっぱり日本語が分からないと、全科目ガタガタになりますね。

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東京外国語大学卒業→イタリアに住み、結婚→帰国後、複数の塾で教室長→家庭教師として独立。

大学受験の英語を中心に教えています。

公立中学で落ちこぼれでしたが、勉強を始め、大学に行けるレベルになりました。
落ちこぼれだった経験を生かして授業をしています。

言語を勉強するのが大好きで、イタリア語、フランス語、スペイン語、ギリシア語、フィンランド語、ラテン語、オランダ語など、たくさんの言語を勉強しています。(英検1級、イタリア語検定1級)

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