こんにちは!
国語の授業をやっていて、ひととおり文章を読んでもらった後で、分かったことを口頭でまとめてもらっているんですが…
「何の話なのか全くわかりません」
と言われることがよくあります。
日本語なので、何かしら分かるだろう、と思いますが、全く分からないと言われます。
原因の1つは、ものごとを知らなすぎて、書いてあることは、字面は追えるけれど、何も頭に入ってこないことです。
例えば、中学受験をする小学生が読まなければならない小説が、戦時中、昭和初期くらいが舞台になっていることってよくありますよね。
その頃の日本の暮らしについて知らない小学生が、読み取ろうとしても、意味が分からないのは当然といえば当然です。
状況を想像しようにも、そのきっかけとなる情報が、全くないんです。
それで、国語ができないからと、読解のテクニックを習う。「接続語に注意」とか「指示語に注意」とか・・・
意味ありますか??
今の子は、テレビを見ないからか、「今の日本人なら、これくらい当たり前に知っているだろう」と言うことを本当に知らないです。
例えば、昔なら、昭和初期が舞台になっているドラマや映画をテレビで見ることがよくあったので、実際にその時代には生まれていなくても、何となく想像ができたりしたものです。
今の子って、時代劇も見なくなりましたよね。
時代劇を見ていると、台詞に古文っぽい言葉を使っていることが多いので、古文の表現も、いちいち覚えなくても、だいたい分かることも多いのですが、今の子は、全部暗記をしないといけないです。
知識が全くない。
それでいきなり、想像したこともない時代について書かれた話を読んでも、分からない!ということが起きるのです。
自分では体験できない時代のドキュメンタリーやドラマや映画を積極的に見ることって、本当に、勉強になると思います。単に国語の勉強になるだけでなく、今とは違う日本の姿に触れることができるから、様々な分野に興味が広がっていくきっかけになるからです。
そういえば、数年前、イタリアのお義父さんが来日した際、嫁の私は、彼を「大阪くらしの今昔館」に連れていきました。
外国人から見たら、かなり面白いみたいで、目をキラキラ輝かせながら喜んでいました。今では見られない昔の日本の様子を見ることができ、日本人の私でも楽しめました。
こういうふうに、楽しみながら知識を得るのも勉強ですよね。
問題集を解くよりも、大切な勉強だと思います。
こういう経験の積み重ねが、学校の勉強も、好奇心を持って取り組める子をつくるんじゃないかな、と思います。
机に向かって勉強している時間と成績が必ずしも比例しないのって、このあたりに理由があるような気もします!!