こんにちは!
ラテン語の話し言葉バージョン(俗ラテン語)がもとになっていて、現在各地で話されている言語を、ロマンス諸語と言います。
代表的なのは、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語ですね。
ロマンス語のどれでも良いから勉強すると、実は、英語の勉強もすごく楽になるんです。というか、めちゃくちゃ楽しくなります。
一番効果があるのは、語彙だと思います。
英語にはラテン語由来の語彙が多いからです。
特に、英語で割と難しいと言われる単語(つまり、出てくる頻度が低く、接触回数が少ないために覚えづらい単語)を覚えるのに、ロマンス語の勉強が役に立ちます。別に、そこまで高いレベルまで勉強していなくても。
例えば、unbelievable「信じられない」は、un+believe+able からできているので、受験生もすぐに意味を覚えてくれます。
believe という単語は頻繁に出てきますしね。
でも、意味の似ている incredible はなかなか覚えられない子が多いです。believeは分かるけど、credって?という感じで。
「creditと同じだよ」と言っても、クレジットカードのクレジットとは分かっても、「信用」の意味はなかなか覚えられないようです。
英単語は、語源を覚えたら覚えやすくなりますが、そもそも、その語源がなかなかイメージがわかないんですよね。だから、結局丸暗記することになります。
これが、イタリア語やフランス語をやるとすぐに解決します。
例えば、イタリア語では、「信じる」はcredere と言います。(フランス語はcroire、スペイン語はcreer)
そして、イタリア語のcredereは、英語のbelieveと同じように、「・・・と思う」ということを伝えるために、頻繁に使われるのです。イタリア人と話したら、毎日この単語に出会います。
Credo che sia vero.「本当だと思うよ」=I believe that it is true.
みたいな感じで。
当然、英語で、credit cardやincredibleに出会う頻度よりも、イタリア語でcredereに出会う頻度の方が圧倒的に高いです。それこそ、100倍、200倍、というレベルで違います。
この日常会話レベルで頻繁に出会う、頻繁に使う、というのがポイントです。
英語ではcred、creditは「信じる」という意味だよ、と聞いても、それはただの「情報」として入ってくるだけで忘れがち。でも、イタリア語のcredere はそれこそ毎日使うので、知識が血肉になり、言葉のイメージが頭に焼き付き、忘れるということが起こらなくなるのです。
incredibleは大学受験レベルですが、受験レベルを超えているものでも、イタリア語の基礎単語を参考にすると、一瞬で覚えられるものがたくさんあります。
【英語】 stipend 「給付金」
【イタリア語】 stipendio「給料」
【英語】 renounce「放棄する」
【イタリア語】 rinunciare「諦める」
【英語】 advent 「出現、到来」
【イタリア語】 a は英語の前置詞toとだいたい同じ、vent はvenire「来る」
【英語】 facilitate 「促進する、簡単にする」
【イタリア語】 facile「簡単」
【英語】 invincible「無敵」
【イタリア語】 vincere「勝つ」
【英語】 sanguine「血色のよい、快活な」
【イタリア語】 sangue「血」
【英語】 dimentia「認知症」
【イタリア語】 dimenticare 「忘れる」
これらの例は、英語は比較的頻度が低いですが、イタリア語では超基礎、日常会話レベルです。
私は大学受験の時、受験標準レベルを超えた英単語は、繰り返して見たり、書いたりして覚えました。
でも、語源の助けは借りてはいても、結局丸暗記だったので、覚えては忘れ、覚えては忘れ、を繰り返していました。
イタリア語漬けの日々が数年も続き、その間英語は全くやらなかったのですが、久しぶりに英語を再開したとき、分かる英単語が増えていて、しかも、忘れにくくなっていることに気が付きました。この時、初めて、「英語、楽しい♪」と心から思いました。
文法も役に立ちます。
ヨーロッパの言語は、基本的に文法は似ているので、「これは英語と全く同じ構文だ」とか、「英語では冠詞がいるのに、フランス語はここはいらないんだ」とか比べながら学ぶことで、英語の文法を客観的に見ることができるようになります。
ルールが多いと思っていた英文法が、実は曖昧な部分も多いこともわかります。
時間のない受験生には現実的ではないかもしれませんが、大人の方は是非、お試しください。
リスニングとリーディングを一緒にやる。