このブログに何度か書いていますが、私は英語がずっとあまり好きではありませんでした。
好きになったのは、本当に最近のことです。30代になってからです。
大学受験では英語の配点が高い大学ばかり受け、英語ばかり勉強していて、英検1級にも合格したのに、英語はあまり好きではない期間が長かったです。
英語は、勉強が苦手な私でも点数が取りやすい科目だったので、単なる試験を乗り切る手段と考えていました。
アメリカやイギリスなど、英語圏の国にもあまり興味がなかったし、英語は便利であることは頭では分かっていても、試験勉強以外にあまり意味は見出せなかったものでした。
それに対して、大学で始めたイタリア語やフランス語は、それらが話されている国に興味があり、言語自体の音や単語自体にも美しさを感じたのです。同じアルファベットで書かれていても、見た目がおしゃれに見える言語とそうでない言語ってあるんですよね。
考えてみれば当たり前のことで、音楽や絵画にも「何となく好きだな」と思うものとそうじゃないものがありますよね。
英語を好きになろうとしても、本能的、直感的には向いていなかったのでした。
今は知りませんが、私の頃は外大でも、主専攻語をイタリア語、副専攻語をフランス語にして、英語の授業を1つも取らなくても卒業することができました。私は見事に1単位も取らずに卒業しました。受験や英検という目標がなくなった私には英語はもう要らないものでした。
学生時代に何度も訪れたイタリア、フランス、ベルギーでは、イタリア語とフランス語が話せれば問題ないわけですから。
また、これまで試験英語にどっぷり浸かってきた私は、完全に英語アレルギー状態だったと思います。
私が英語を教えているのは、受験生を応援する仕事が好きだからです。ずっと教室長をしてきたのはそのためです。英語が第一の目的ではありませんでした。
でも、英語が好きではないのに教えていることに葛藤もあり、ずっと自分の中で納得するために、夢中になれる理由を見つけるために、英語の勉強を続けてきました。
英語を好きになるために、できるだけ自分が好きなことを英語でするように努めました。
例えば、好きな映画やドラマを英語で見る、好きな本の英語の翻訳を読む、英語の音楽を聞く。あと、私はおしゃべりなので、オンライン英会話でひたすらフリートークし続けるとか。以前はオンライン英会話は、1日に5、6時間レッスンを受けていることもありましたね。バックグラウンドに常に英語を流してもいます。
ここまでやっても、やっぱりイタリア語の方が好きですが、それでも最近では英語の楽しさはだんだん分かるようになってきました。
中学で英語に出会ってから20年近く経って、やっと「英語ってもしかしたら面白いかも」という気持ちになれたのです。
だから、受験勉強が目的になっている受験生が無条件に英語を好きになるなんて難しいのは理解できます。点数が取れなければ嫌いになってしまうのも分かります。
私がそうでしたから。
「英語が話せれば世界中の人と話せるよ」と言われても、日本語だけで生活できる環境が周りにあるのですからピンと来なくて当然です。ピンと来るのは一部の優等生だけです。
でも、英語は言語なので、英語自体が好きになれなくても、好きなことを英語ですることはできます。
好きなことを英語ですることで、英語が好きだと自分に思い込ませるのです。英語はほとんどの大学で受験科目になっているのは変えようがないのですから。
幸い、今はYouTube、Netflixなんかで、好きなだけ映画、ドラマ、音楽などを楽しむことができます。くだらないショート動画を英語でダラダラ見たって良いと思います。リスニング対策にもなりますし、時間は無駄にはなりません。
問題集ばかり見ていても、なかなかその面白さはわからないでしょうから。
イメージが変わることで勉強は楽しくなるものです。