こんにちは!
この仕事をしていると、本当にいろんなことがあります。
嬉しくて飛び上がりそうになることもあれば、何だか1日中ため息をついてしまいそうなことも…。
実際に教えた子たちのことはなかなか忘れないですが、中でも特に印象に残っている子の話をします。
予備校で働いていた時のことです。
ある浪人生の女の子が、関東の難関私立大学を目指していました。
自習は朝9時から夜10時までみっちり。塾内のテストも毎回全校舎で上位でした。
誰もが「○○さんは絶対に合格する」と言うくらい安定感がありました。明るくて、可愛い子でした。
もっと心配な子がたくさんいたので、講師は、みんなその子が落ちるなんて考えてもいなくて・・・「○○さんは優秀だから大丈夫だよ~」と言うばかり。
入試本番を迎えました。
全て順調。あの子は大丈夫だろう。
そう思っていました。
第一志望の入試当日。
いきなり、教室に電話がありました。
「先生、もう、入試会場に着いたら、人がいっぱいいて、絶対この中から合格できるなんて、無理だと思います!!どうしたらいいですか?!」
名乗らずに、泣きながら言う声が・・・
まず、電話だし、泣いてるし、誰か分からない。
「え??誰??」
と何度も聞いて、やっと誰かが分かった時には、一同騒然…
まさか、あの子が?という反応でした。
講師が交代でなだめるのですが、「無理です」というばかり。
「もう試験始まるので行ってきます」
と言った時も、まだまだ涙声で・・・
周りの受験生は、きっと、「あの子には勝てるな」と思っていたでしょうね。勝負の世界は残酷です。
彼女は、第一志望の大学を複数学部受けましたが、全敗。
滑り止めに進学しました。
もう社会人になっているだろうから、いい経験と受け止めてくれているといいな、といまだに思うことがあります。
この子は、普段から、本当に努力していた子でした。
誰も、こんなに繊細な子だとは気が付かなかった…
というか、受験前の彼女は「全然緊張していません」と言っていました。
頑張ったからこそ、失敗したくなくて、逆に自分を追い込んでしまったのかな、と思います。
「これだけやってきたのに、失敗できない」と思ってしまったのかな・・・
「これだけやってきたから大丈夫」と思えたら良かったのですが・・・
試験会場で、周りは雑魚だらけと思えるメンタルが必要ですね。
根拠のない自信だったら論外ですが。
よく言われるように、「最悪を想定して、最善を尽くす」しかないですね。
受験生の皆さん、これからの時期、辛いこともたくさんあると思いますが、落ち着いて、1日1日やるべきことを積み上げていけますように。