前回は、小学生が英検2級や準2級を目指すことのデメリットを書きました。
では、私が小学生の英検受験に絶対反対かというと、そういうわけではありません。
小学生の頭の成長には本当に個人差があります。興味もさまざまです。
例えば、私は成長が非常に遅かったです。私が小学5年生の頃は、頭の中は、友達と放課後遊ぶこと、着たい服、ゲーム、晩御飯のことぐらいしかありませんでした!学校のテストも10点、20点なんて普通でした。
二酸化炭素が何なのかすらよくわかりませんでした。そんな私が英検の環境問題の長文なんか読もうとしても、日本語訳も理解できなかったでしょう。こういう子供には英検2級、準2級は拷問に等しいです。
でも、小学生でも知識欲があり、日本語がすでにしっかりしている子もいます。早熟な子ですね。
さらに、英文法を基礎からしっかり身につける大切さも理解できていて、文法のドリル学習もコツコツ頑張るような子。英単語の意味を適当に繋げて意味を何となく推測するという読み方をそもそも嫌がる子。
英検も合格すれば良いというわけではなく、きちんと実力をつけた上で合格したいと親子で思っているケース。
こういう場合には、高い目標を設定するのは決して悪いことではありません。むしろ、メリットがたくさんあります。
言語習得は、やはり若い方が有利な面はあります。特にリスニングや発音。リスニングは小さい頃からやっている子は強いですね。
私はイタリア留学時代にたくさんのアルバニア人の友達ができましたが、彼らの国ではイタリア語のテレビが放送されているので、個人差はありますが、だいたいみんなイタリア語は話せなくても聞いたらそこそこ分かる状態にはなっていると聞きました。小さい頃からのリスニングは非常に効果的です。
また、英検は一応4技能全て勉強するので、スピーキングやライティングなどアウトプットの練習ができます。
受験特化型の勉強をすると、リーディングばかり、つまり受け身の勉強になってしまう傾向があります。
スピーキングやライティングは自分から発信できるまで知識をしっかり定着させる必要があるし、英語で考えるクセがつくので、結果、リーディングやリスニングにも効果が出ます。何より、外国語で自分の考えを発信することは、ただ読むだけより楽しいです。こういう楽しさを小さい時に経験できるのはいいことですね!
さらに、2級、準2級レベルの大人っぽい内容に触れることが、好奇心を刺激することもあります。
以前、小学生の生徒さんで、授業で英検2級の過去問で「太平洋ゴミベルト」の話を読んだ後で、興味を持って調べてノートにまとめたものを見せてくれた子がいました。もちろん、ノートまとめは日本語でしたが。宿題にしたわけでもないのに、自主的に調べるなんてすごいな~と感心したものでした。
こんな感じでメリットもたくさんあります。
ただ、個人差はかなりあるので、周りの大人はどこまでやらせるか、きちんと見極めないといけないですね。
英語嫌いになってしまうのが1番怖いので。