最近は、英検が異常なくらい優遇されるようになっています。
ただの一民間企業の民間資格が入試と同じぐらい優遇されるのは、ちょっと違和感を感じますが、それも時代の流れなので仕方がないですね。
それに伴い、小学生の英検熱も高まっているように思います。
今は小学生でも準2級、2級を目指す時代です。
単語を覚える作業は、別に文法ができていなくてもできます。
リーディングは単語をつなぎ合わせてだいたいの意味を推測し、そこそこの点数をとり、ライティングでがっつり稼ぐというのが勝ちパターンの1つになっています。ライティングは練習次第で超高得点が叩き出せる分野ですから。
だから、私もまずはライティング攻略から始めることが多いです。
でも、これで本当にいいのでしょうか?
小学生でも、精神年齢の高い子は、単語をガンガン覚えていくのも苦痛ではないみたいなのです。そういう子には、英検の上位級を受けさせるのはメリットがたくさんあると思います。
でもまだ精神的に幼い子は、環境や歴史、科学技術なんかの話についていけていません。幼いのは決して悪いことではなく、ただの個人差です。やっていくうちに運良く興味がわくケースもありますが、どうしても苦痛になってしまう子もいるんですよね。
少なくとも、落ちこぼれだった当時の私だったら、全力で逃げていたでしょうね。友達と遊ぶことしか頭にありませんでしたから。
そういう子に、無理に準2級や2級をやらせるのは、英語嫌いを増やす原因になりかねません。
さらに、英検が重要視されすぎて、文法が疎かになるのもあまり良くないですね。
英作文を見てみると分かりますが、準2級、2級をとった小学生でも、文法がグラグラな子はすごく多いです。
●三人称単数は全く理解していない。
●He isn’t play tennis.の何が違うのか分からない。
●進行形のbe動詞がない。
●He like they.と書いても違和感を感じない。
こんな状態で、単語の意味がだいたいわかるから文の意味が推測できて、たまたま正解の選択肢を選べることがあり、スコアが稼げるということに、あまり意味があるようには感じません。
やはり基本は文法です。
特に中学文法が大事です。
高校文法が難しいという子は、実際中学文法が分かっていません。中学英語を暗記で乗り切った子は、中学文法がグラグラである自覚がないので対処せずに大学受験に突入し苦労します。
中学文法がきちんと分かっている子は、実は高校文法は中学文法をほんの少し発展させただけだと分かっているので苦労しません。
小学生から英語を勉強させるなら、文法をきっちりやりつつ、簡単な文から音や文字に馴染んでしっかり積み上げていくほうがいいんじゃないかと思います。
フランスの小学生が、フランス語の動詞の活用を学校で勉強している動画を見たことがありますが、母語でもやはり最初にきちんと文法をやるんですから。
昔の英語教育は文法ばかりだったから喋れないなんて嘘です。