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英検を英語力の基準とすることの弊害

英語の勉強

こんにちは!

今日は英検を基準に勉強していくことの弊害を日々感じているので、お話します。

英検の受験者はますます増えていますね。小学生で英検3級、中学生で英検2級なんて、今では割と普通になってきました。

学校で習う英語よりかなり難しいわけですが、少し背伸びして難しい単語を覚えたり、普段はあまり取り組まないライティングに挑戦したり、様々な話題の英文の読解をしたり…。メリットは多いです。英検合格を目指して勉強することで、英語力を大きく伸ばしていけるのです。

ただ、メリットばかりではありません。

英検は、基礎がしっかりしていなくても、合格してしまうことがあります。いわゆる「まぐれ合格」が頻繁に起きます。

英作文以外は選択問題なので、理解していなくてもたまたま正解になってしまうことや、得点が極端に低い分野があっても、合格してしまうことがよくあるからです。

例えばリーディング、リスニングは半分くらいなのに、ライティングが8割で合格するとか。

合格すること自体は嬉しいことです。
最近は、高校入試、大学入試に英検に使えるようになっているので、受かれば受験できる学校が変わるくらい、影響力がありますからね。

でも、中途半端な状態で合格すると、その上の級に取り組もうとする時になって、本来なら、それ以前の基礎的な知識の穴を埋めることから始めないといけないのに、その点に無自覚な子が結構いるんですよね。

例えば、これまで2級に合格してきた人の中には、実際授業をしてみると、「中学レベルの英文法がかなり怪しい」「難しい単語(例えば準1級)を覚えようとするけれど、実際は基礎単語(2級レベル)の基本的な使い方もわかっていない」というケースがあります。

長文は、文法を完全に無視して、主語、動詞も把握できないまま、とにかく単語をつなぎ合わせて訳そうとする。

英作文は、単語の品詞を無視して意味だけを覚えているので、形容詞が来るべきところに名詞があったり、主語がなかったり・・・とありえない文章をどんどん書いていく。スピーキングも同じですね。

英語力はいらないから、とにかく資格が欲しいというならともかく、英語力をつけたいなら、英検だけを英語力の基準にするのは危険です。

合格しているからと言って、その級のレベルのことがきちんと身についているかどうかはわからない。

受かっていても、そのレベルで期待されている英語力がきちんと身についていないと、本来は意味はないですよね。

だから、中学生、高校生だったら、普段学校で習うような文法や語彙をきちんと身につけてほしいです。

定期テスト、ちゃんと頑張ってほしいです。

3級に合格した小学生がいるのですが、その子は、基礎文法の作文や英作文の宿題を徹底的にこなしてくれて、ほとんど文法ミスのない英文を書きます。きちんと品詞の区別もついています。

対して、2級に合格しているのに、その3級レベルの文法すら怪しい人や品詞も気にしたことがなかった人もいます。

そういう人は、変な癖がついてしまっているので、考え方を修正するのに時間がかかります。とりあえず2級には受かっているから、そこまで大きな問題だとは感じていない場合がほとんどだからです。だから、基礎が抜けていることを指摘しても、なかなか最初は実感しないようです。その上のレベルや、大学受験レベルを目指そうと思うと、いろいろ問題が出てきます。

英検取得が目標であっても、「まぐれ合格」ではなく、きちんと力をつけて合格したいなら、文法のドリル学習や、基本例文のインプット品詞や使い方をきちんと理解しながらの単語暗記、そして音読はコツコツやりましょう!

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東京外国語大学卒業→イタリアに住み、結婚→帰国後、複数の塾で教室長→家庭教師として独立。

大学受験の英語を中心に教えています。

公立中学で落ちこぼれでしたが、勉強を始め、大学に行けるレベルになりました。
落ちこぼれだった経験を生かして授業をしています。

言語を勉強するのが大好きで、イタリア語、フランス語、スペイン語、ギリシア語、フィンランド語、ラテン語、オランダ語など、たくさんの言語を勉強しています。(英検1級、イタリア語検定1級)

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