こんにちは!
アシミル(ASSIMIL)のラテン語の第1課は、
Latine loqueris?「あなたはラテン語を話しますか」
から始まります。
「えー、ネイティブはいないのにこれ、一体どこで誰に使うのかな~」と思うような文ですが。古典語なのに、こういうリアルな会話を使っているのが、アシミルのいいところですね。
英語の入門書の最初にDo you speak English?が載せられているノリで書かれています。
ラテン語でloquiは「話す」という意味です。先ほどのloquerisは「あなたは話す」という意味です。ちなみに「私は話す」はloquorと言います。
勘のいい人なら気が付きますよね。
英語でも、eloquent「雄弁な」interlocuter「対話者」 locution「言葉遣い」colloquial「話し言葉の」などがありますよね。すべて、「話す」ということに関係した言葉ですね。
あれ、でも、イタリア語の「話す」であるparlareがないな…と思い、辞書で調べてみると、中世ラテン語のparabolareからきているということでした。
parabolaは現代イタリア語にもあり、「(宗教的・道徳的な)たとえ話」という意味の名詞です。つまりparabolareは「たとえ話で表現する」という意味のようです。それがparlareに変わったのですね。フランス語ではparlerですね。
parabolaには、パラボラアンテナの「放物線」という意味もありますが。
さらにさかのぼると、parabolaはもともとギリシャ語のπαραβολή(parabolē)から来ているようです。
παραβολήがparabolaになり、parabolareがloquiの代わりに用いられるようになりました。
そして、このparabolareがイタリア語のparlareやフランス語のparlerになったようです。
ラテン語から来ている!と思っていたものも、結局ギリシャ語だった、ということは結構ありそう。いや~、こんなの調べだしたらキリがないけど奥が深いですね。面白~い。