こんにちは!
先日、ある高校生との授業で、思わずガクッとなってしまったこと。
長文1題を宿題にしていたのですが、自力であまり読めてないような感じでした。
聞いてみると、模試なんかで時間が足りなくなるから、速く読む練習をしようと思って、速く読んでみたら意味が分からなかったのでそのままにしておいたということ。
私と授業で一緒に長文を読む時はゆっくり読むから分かるけれど、自力で速く読もうとするとできない、と言っていました。
その言葉を聞いて、本当にガクッときましたね。私の言ってきたことがまだ全然伝わってない、と。
その子はまだ受験生ではないから良いのですが、数年前、高3生から夏ごろに同じことを言われて心底ガックリきたことを思い出しました。
本当に、何回でも口酸っぱく言い続けないといけないな、と心から思います。
ゆっくり読んで良いんです。
分からない単語は調べても良いから、自力でしっかり考えれば良いんです。
ゆっくり読んで理解できない文を、速く読んで理解できるわけはないんですから。
まずは、ゆっくりでも正確に読めるようにすることが大事なんです。
私は高校生の頃、たった1ページの長文を2、3時間何十周も読んで、それでも分からないなんてよくありました。そういう時は一晩寝て、また起きて読み直して、「あーでもない、こーでもない」って考えて。そんなことを繰り返していましたよ。
目標解答時間50分って書いてあっても、10時間以上考えたこともありました。
ここまで全員がやる必要はないでしょうが、勉強をほとんどしてこなくて基礎学力がなかった私には考える作業に慣れるために絶対に必要な時間でした。
そんな読むのが遅かった私でも、入試本番では読むのが遅くて時間内に解ききれないなんてことはありませんでした。
ゆっくり読んで理解した英文を、声が枯れるまで音読して、英語を英語のまま理解することができるようになったからです。
みんな、いきなり結果が出ることを求めすぎです。
スポーツでオリンピックに行きたい人が、いきなり初心者の状態で試合本番さながらの練習をしますか?しないですよね?しても上手く行くはずがありませんよね?まず基礎的なトレーニングから始めますよね?
なぜ勉強だとそれが分からないのでしょう?なぜいきなり試合に出ようとするのでしょうか?
親御さんにもそういう考え方の人がいます。
いきなり難しいことをやらせようとします。できるわけがないんです。
数年前、夏に「速く読めない」と嘆いてきた高3生は、音読はおろか、復習もあまりやらない子でした。
「だから毎週音読しなさいって言ってきたでしょ~~!!」ってなりましたね。
音読したり、1回読んだ長文を読み直したりするのって、なんか地味な作業に見えるのでやりたがらない子が多いんですよね。
でも、1回読んだ長文がきちんと読めるようになっていないのに、初見の長文が読めるようになると思うほうがおかしいと思うんですよね。