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現代文の難しさ。

普段考えていること

国語は本当に「簡単な科目」なのか?

「国語って日本語だから勉強しなくてもある程度できる」という人は結構います。一般的には、「数学のほうが国語より難しい」と思われているかもしれません。
でも、私がこれまで多くの生徒を教えてきた経験から言えば、国語の方が難しいケースも少なくないと感じています。

真面目な子ほど、いわゆる「勉強」にはきちんと取り組みます。
ですから、数学のように「基礎を積み上げる」「パターンを覚えて解く」といったタイプの科目は、努力である程度カバーできます。

もちろん、難関大学の数学ではセンスが求められることもあるでしょう。
でも中堅大学レベルであれば、文系で、数学から何年も離れている私でも「この組み合わせで解けるな」とある程度見通しが立つ問題が多いです。
数学は、ある意味パターン化されている科目です。再現性があるのです。

国語には「経験」が必要

こうした読解には、テクニックだけでは太刀打ちできません。
国語には、いわゆる「勉強」だけでは乗り越えられない壁があるのです。

私自身、教える仕事を続ける中で、ふと気づいたことがあります。
高校生の頃、「難しすぎて頭が爆発しそう」「筆者は何を言ってるの?!」と苦しんで読んでいた文章が、今は自然に読めるのです。

昔は、難しい語彙や比喩が並ぶ文章は、表面的にしか読めていないことが多かったです。
でも今は、実感をもって理解できます。
これはおそらく、語彙力が増えたからではなく、人生経験が増えたからなのでしょう。

高校生の頃の現代文の勉強

大学受験で国語は必要でしたので、高校生の私は自分なりには一生懸命勉強をしました。
難解な文章は1題の問題を6~7時間かけて読んでいました。
わからない言葉はすべて辞書で調べ、何度も読み返し、
「自分の経験の中で似たような気持ちになったことはないか」
「筆者に賛成できるか?反対か?」と一生懸命考えていました。

私は中学生になるまで勉強らしい勉強をしておらず、小学生時代はずっと遊んでいました。
だからこそ、難しい言葉や思考に対する「耐性」がなかったのです。
だから1つ1つの文を徹底的に読むことで、語彙力、思考力をつけようとしました。それで何とか、国語は大学受験において得点源となったのです。

授業でも「徹底的に読む」ことを重視

今の私の授業でも、同じように徹底的に内容を説明させます。
問題に直接関係がなくても、
「似たような経験はないか?」
「身近でこんなこと起きていないか?」
としつこく問いかけます。

現代文の参考書は、無秩序な読み方を整えるには役立ちます。
でも、そもそも「何が書いてあるのか分からない」状態を解決はしません。
そう言えるのは、私自身高校生のとき、そのような参考書をたくさん読んでみましたが、解決には結びつかず、結局テストができないのは、根本的に読めていないからだと気が付いたからです。

灘中・灘高の伝説の先生 橋本武先生

伝説の国語の先生、橋本武先生をご存じでしょうか。彼が行った授業は、たった一冊の本――『銀の匙』(中勘助)を3年間かけて読むというもの。その本の一行一行を丁寧に読み解き、そこに出てきた言葉、背景、文化、歴史までも徹底的に掘り下げていく。


たとえば、『銀の匙』の中に「飴」が出てくると、生徒たちは実際に飴をなめる。
「凧あげ」が登場すれば、みんなで凧をあげに外へ出る。
そんなふうに、本の世界を現実の体験に引き寄せながら読むのが、橋本先生のやり方でした。

読むとは、ただ文字を目で追うことではない。
五感を使い、体験を通して、「筆者がなぜそう書いたのか」「この言葉はどんな感情を表しているのか」を、生きた実感として理解すること。
そうした読みの積み重ねが、思考力や想像力、そして読解力を育てる――橋本先生はそう信じていたのです。

私がこの橋本先生の話を初めて聞いたとき、
「そうだよね。結局、国語の勉強って、それしかないよね」
と、妙に納得してしまいました。

遠回りに見えても、読むことそのものに真剣に向き合うしかない。
国語には、「コスパの良い勉強法」なんて、やっぱり存在しないように思います。

私が授業で生徒にしつこく質問を投げかけるのも、
小手先のテクニックでは国語は乗り越えられないとわかっているからです。

問い続け、考え続けること。
自分の言葉で語ること。
そして、いわゆる「勉強」以外の世界にも興味を持つこと。

結局それが、一番の近道なのかもしれません。でも、それが時間がかかるし、難しいんですよね。

家庭教師依頼はこちらから。

東京外国語大学卒業→イタリアに住み、結婚→帰国後、複数の塾で教室長→家庭教師として独立。

大学受験の英語を中心に教えています。

公立中学で落ちこぼれでしたが、勉強を始め、大学に行けるレベルになりました。
落ちこぼれだった経験を生かして授業をしています。

言語を勉強するのが大好きで、イタリア語、フランス語、スペイン語、ギリシア語、フィンランド語、ラテン語、オランダ語など、たくさんの言語を勉強しています。(英検1級、イタリア語検定1級)

普段考えていること
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