私は受験生の頃、志望校の過去問はかなり早い段階で見て、どんな問題が出ているかの把握はしていましたが、高3になってもあまり真面目に解いていませんでした。
併願した私立大学については、直前期に数年分解いたくらいで本番を迎えました。
当時の私は、「過去問は一度出た問題だから出ない」という気持ちが強く、それより実力をつけるための勉強をした方が良い、と思っていました。
また田舎の塾なし受験生だった私は、唯一の情報源であるZ会の通信教育を盲目的に信じており、Z会の良問に取り組んでいれば、入試の過去問は解かなくてもいい、と思っていました。(Z会が過去問をやらなくてもいいと言っているわけではなく、一度出た問題よりZ会が作った予想問題の方が的中する可能性が高いと思っていたのです)
さらに、受験する大学の過去問が合格点に届かなければ落ち込んでしまうかもしれない、とも思っていました。要はビビっていたのです。だから、「実力がついてから直前期に解くから」と言い訳しながら逃げていました。(こういう子は実はとっても多いです)
結果として受験した大学には合格できたのですが、それでも今考えるとかなり危ない戦略だったと思います。
人気の大学になればなるほど、過去問を数年分どころか10年、20年分解いている受験生がたくさんいるのです。
その受験生たちは、志望校の形式に体を慣らしてきています。数年分解いただけではそういう受験生に勝てない可能性があります。
また、早い段階で玉砕してしまっても、落ち込む必要はない、ということは今なら自信を持って言えます。
出来なくてもいいから、時間内に終わらなくていいから、過去問を「大学の教授たちが心を込めて作った最高の問題集」と考え、ゆっくりじっくり味わいながら解いていくといいと思います。
受験生時代は気がつきませんでしたが、この仕事を始めてから、大学入試の過去問の面白さに目覚め、入試問題を解く(読む)のが趣味になっています。
受験生にはなかなか「楽しむ」余裕はないかもしれません。でも時々「難しいけどこの長文の内容はすごく面白かった」といってもらえることがあり、そんなときには、この仕事をやっていて良かったな~って思いますね。
味わいながらじっくり解いていく中で、自然と本番の形式やレベルに慣れていくことができるんです。
だから、正答率とか解答時間とか気にする必要はありません。
直前期まで取っておかず、ある程度の基礎ができた段階で、すぐに解いていきましょう!!
はっきり言って、秋以降では遅いと思います。あっという間に冬が来てしまいますからね。