こんにちは!
私は、中学から、普通に公立中学用の教科書「NEW HORIZON」で英語を始め、公立高校で、大学受験の勉強をした、ごく普通の日本人です。パスポートを作ったのも、大学生になってからです。
そんな私からしたら、単語を覚えて、文法を学んで、その知識をもとに、長文を精読して、和訳する。それを音読しまくる。そして、だんだん和訳しなくても、英語を英語のまま理解できるようになる、というプロセスは、自然なものでした。
私が進学した東京外国語大学には、特に英語専攻は帰国子女が結構いました。
アメリカに5年いた帰国子女の友達に、
「和訳なんかしなくても、そのまんま英語を理解できるからいいよね」
と話すと、
「いやいや、受験期は和訳をめちゃくちゃやったよ。 英文解釈の本も使った。
英語だから、理解できるだろうと思っていたら、いざ日本語に訳そうとすると訳せない。
その時、英語で内容を理解していると思っていたけど、実は、全然深くは理解していなかったんだな、と思うことが結構あった。
曖昧にしていた部分が、実はこんなにもあったんだと、和訳をすることで、はっきりわかった。
和訳をちゃんとやるようになってから、本当の意味で、英文が読めるようになったよ」
と言われました。
目から鱗でした。
日本語を母国語とする私たちは、結局、日本語で物事を一番深く理解できるのです。
帰国子女であったとしても。
5年もアメリカにいた子でも、そうなんです。
ずっと日本に住んでいる私たちなんて、絶対、どんなことがあっても、日本語力が英語力を超えることはないですね。
私も、英語を受験生に教えるようになって、やはり精読、和訳が最強だな、と確信するようになりました。
翻訳ではないので、きれいな日本語にできなくても良いですが、日本語で説明できなければ、理解はできていないと思います。
「何となく分かる」は、だいたいわかっていません。
すごく小さいころから英会話を習っている子の親御さんに多いのですが、日本語訳がよく分からない英文を読ませようとします。
読めないのを単語力のせいにしようとします。
「まずは、母国語である日本語の読解力と背景知識を身につけましょう」と説得するのに、結構時間がかかることがあります。
英語を小さいころから学ぶのは良いと思います。特に、音に慣れるのは、小さい頃の方がいいと思います。
ただ、やっぱり生活の場が日本語なのだから、日本語で情報を正しく理解し、思考する力をつけてあげた方が、結局その子のためになると思います。