こんにちは!
ASSIMIL(アシミル)のラテン語の第2課にこんな文が出てきました。
「彼はたくさんのコーヒーをあげない」ille non multum caffei dat.
解説に、「コーヒーはヨーロッパでは、17世紀になって飲まれ始めたので、コーヒーを意味するcaffeumは古代では使われておらず、 néologisme moderneだ」と書かれていました。néologisme moderne、つまり現代の造語というわけですね。
ラテン語は「死んだ言語」と言われながら、現代の言葉をラテン語で表現できるように新語をつくっていくなんて面白いと思います。
ラテン語のnéologismeに興味をもち、調べていると、バチカンのサイトにたどり着きました。
ここに挙げられていたもので面白かったものをご紹介します。
スパゲッティ
まず、イタリア語のspaghetto(スパゲット)です。spaghettoは単数形なので、普通はspaghetti(スパゲッティ)と複数形で使います。スパゲッティ1本が話題になることなんて稀ですからね。
spaghettoはラテン語ではpasta vermiculataと言うそうです。
Wikipediaのラテン語版でも、pasta vermiculataと書いてありました。
vermiculata は「虫のような」という意味のようです。つまり、虫みたいなパスタってことですかね…(-_-;)芋虫に見えると何か食欲がなくなりそうですね…
ピザ
ピザ(イタリア語ではpizza)は、placenta compressaと言うそうです。placentaは「平たいケーキ」、compressaは「押しつぶされた」ということです。確かに、押しつぶされて平たくなっていますね。でも、ピザのほうが美味しそうに聞こえる。。。
英語(イタリア語でも)でplacentaは胎盤のことですね。最近、プラセンタはサプリメントや化粧品でよく見ますね。
トマト
トマトはイタリア語ではpomodoro(ポモドーロ)と言います。今では、イタリアントマトは世界中で愛されていますが、ヨーロッパにトマトが入ってきたのはたった400年前。なので、トマトもラテン語にはなかったわけですね。
トマトはラテン語でlycopersicumというそうです。「リコピン」っぽいのがおもしろいです。
トマトの学名はSolanum lycopersicumだということが調べて分かりました。solanumは「ナス科」のことだそうです。
心理学者
英語ではphychologist、イタリア語ではpsicologoと言いますが、ラテン語は、humani ánimi investigatorというそうです。「人間精神調査員」みたいな感じでしょうか。
心理学という学問自体が新しいので、新しく作ったんだろうな…
タバコ
タバコは、fístula nicotiānaと言うそうです。fístula は「パイプ」なので、「ニコチンパイプ」という感じでしょうか。すごく体に悪そうな感じがして、逆にいいな、と思います。
kamikaze
日本の神風特攻隊から他の言語に入ってしまったkamikazeがリストにありました。kamikazeはもう世界中で通じる日本語になってしまっていますね。
ラテン語ではvoluntárius sui interemptorとありました。「自発的自殺者」みたいな感じでしょうか…なかなか直接的な表現ですね。
このリストを見ていて、フランス語が英単語をそのまま取り入れず、e-mailをcourrier électronique、computerをordinateurと言い換えていたのと似ているな、と思いました。
ラテン語初心者なので、まだまだその面白さに気づけていないものもあると思います。学習がもっと進んだら、このリストもさらに楽しめそうです。
でも、思った以上にラテン語は「生きた言語」なんだな、ということを感じることができたのは良かったです。YouTubeでは、世界中で話すラテン語を発信している人がたくさんいますし、まだまだ可能性がある言語だと思います。
もっともっとラテン語に詳しくなりたい!!