毎日たくさんの英検のライティングを添削しています。
1番多いのは、準2級、2級の添削ですね。
準2級、2級くらいなら、お題がめちゃくちゃ書きづらい場合は別として、上手な子はすぐにコツをつかんでしまいます。
語彙力があるにこしたことはないのですが、話はそんなに単純ではありません。
難しい単語の意味が分かり、長文は結構難しいレベルのものも読めるのに、ライティングになると、めちゃくちゃな文になる子も結構います。
逆に、長文はさっぱり、単語テストもさっぱりなのに、ライティングになると、少ない武器を大いに生かし、満点近い答案を書きあげる子も、決して珍しくありません。
そもそも、語彙には2種類あります。
ライティングやスピーキングなど、発信する際に使う「能動語彙」と、
リーディングやリスニングなど、受信をする際に使う「受動語彙」。
受動語彙は、見て意味が分かればよい、聞いて意味が分かればよい、という語彙ですね。
逆に、能動語彙は、スペルや使い方もしっかり覚えていないといけないです。
一見、語彙力があるのに、ライティングになると、たくさん減点されてしまう子は、長文などでちょろっと見た、使い方をよく理解していない難しい単語や熟語、つまり「受動語彙」にしかなっていない語彙を、英作文でどんどん使う傾向があります。
そして、「いや~言いたいことは分かるんだけど、そんな表現ないよ」 「ここには前置詞がいるよ」 「受け身にはできないよ」 「そもそも、それは動詞ではなく名詞だよ」 などという状態に。
英語は外国語なんだから、勝手に表現を作ってはいけません!見たことがある表現を使う、が鉄則です。
正直、英検は、採点が甘いことがよくあるので、それでも乗り切れるかもしれない。
でも、大学入試で、減点法の採点をしている大学だったら、下手したら、一気に0点になってしまうんじゃないかな、という状態です。
正確に使える「能動語彙」を増やしていく努力は確かに必要。
やはり、日々、表現の幅を広げるため、語彙をストックしていかないと。
でも、自分の中で、「能動語彙」になるほど定着している単語と、そうでない単語をきっちり区別する力はもっと大事だと思います。
言い換えると、100パーセント正しいと思える単語と文法で書こうとすることですね。
単語を知らないのに、ライティングがうまい子は、お題が違うのに、結局同じような英文を書きます。
私が教えたサンプル文を、どんどん使ってくれている子もいます。
「また、その理由?前の別のお題の作文と同じ!」と突っ込みたくなるくらい、同じ文を書いているのです。
でも、正確に書いているから減点しようがない。
「バ〇の一つ覚え」のように見えますが、立派な戦略です。
自由英作文なんだから、自分の得意分野に誘導してしまえばいいのです。
上手い子は、小学生でも、中1でも、語彙がなくても、英検2級のライティングで満点近い点数をとります。