最近の学校は、ネイティブの先生を教室に入れて、文法も語彙もしっかり身についていない子たちに、シャワーのように英語を浴びさせているようです。そして文法の解説はかなり軽めだそうです。
効果が全くないとは言いません。
でも残念ながら、それくらいで英語が喋れるようになるなら苦労しないよって感じですね。
実際このようにしても、文法めちゃくちゃ、単語も使い方を間違っている、そんな英語を話すようになります。
こういう学校の間違っているところは、きちんとした知識の習得をさせずに、生徒にフリートークをさせることです。ディスカッションまでさせようとするのです。
いやいや無理でしょ…
言葉を繋ぎ合わせたらまあネイティブには通じるかもしれないけど、それはその人が配慮してくれているからです。「多分こういうことが言いたいんだろうな」と考えてくれているのです。それは相手にエネルギーを使わせていて、負担となります。文法めちゃくちゃ、単語めちゃくちゃな英語は、相手に対しての敬意を欠いています。
最初から完璧にすることはできないですが、きちんと正しい形をインプットしようという意識は絶対に必要です。
そういう意味では、従来の文法重視の英語教育は決して間違えてはいないと思うのです。
原点に帰れ、という気持ちです。
中には「でも昔は文法ばかりやっていたから喋れないんじゃないか。インプットばかりじゃダメだ。アウトプットが大事だ」なんて言う人もいるでしょう。
でも本当にそうでしょうか。
インプットばかりと言いますが、本来はインプットすらできていなかったと思います。
つまり、頭で理解できるにとどまっていて、瞬時に口から言葉が出てくるレベルまでインプットはできていなかったのです。だから話せないのです。
この対策には、パターンプラクティスが効果的です。昔ながらのNHKラジオ英語講座は、リピート、ロールプレイ、習った文法や表現を使って似た文を作る練習なんかをたくさんしてくれます。
私が高校卒業まで外国人と話した経験ゼロだったのに、初めて外国人と英語で話した時にある程度会話が成立したのは、パターンを徹底的に使えるレベルまで覚えていたからだと思います。
大学に入りイタリア語を始めました。イタリア語専攻でしたが、ネイティブの先生の授業はあっても、1クラス30人いたらあまり発言の機会はありません。だから、マンツーマンのイタリア語会話教室に通っていました。そこでは、その日のテーマとなる文法や表現が決まっていて、ひたすらその練習をしました。ネイティブの先生とパターンプラクティスをやり続けていたんです。
結果、何年も勉強してきた英語より簡単に感じるようになるまで半年もかからなかったと思います。
大学のネイティブの先生の授業自体は、あまり会話練習はできなくて役に立ったかは微妙ですが、大量に文法練習の宿題が出ていて、毎回1、2時間くらいはかかっていました。(受験生にとっては普通の量ですが、当時の大学生はこれくらいの宿題すらこなせず、留年、退学する人が結構いました)
この大量の文法練習が会話の基礎になったのは間違いありません。つまり、大学に入っても、高校時代と同じような勉強をしていたということですね。
学校でがっちり英文法をやって、家でマンツーマンのオンライン英会話をやる。
最近のオンライン英会話は安いし、レベル別に教材がたくさんありますし。
こっちのほうが、英語は話せるようになると思うんですけどね。